「腰や膝が痛い」のその先にある不安に寄り添う。
「4,300通り」の選択肢から導き出す、
「心に響くキャッチコピー制作」の舞台裏

著者・監修 VisuaRise Design_Tomo

公開日:2026.05.17
更新日:2026.07.03
4 ~ 6 min read

皆様からいただくコメントは、今後の運営の参考および励みとなります。 まずは本記事の内容について、ぜひご感想をお聞かせください。 参考になった点や気づきなど、ひとことでも構いませんので、お気軽にコメント欄へご投稿ください。

・・Introduction・・

「高齢者の目を引く、チラシ用のキャッチコピーをお願いします」

先日、VisuaRise Design(ビジュアライズ・デザイン)は、ある接骨院のオーナー様から「高齢者の目を引く、チラシ用のキャッチコピーを作ってほしい」というご相談をいただきました。
 
高齢者向けのチラシで反応を得るには、単に「目を引く言葉」を作るだけでは不十分です。
大切なのは、痛みそのものではなく、「このまま歩けなくなったらどうしよう」「介護される側になりたくない」といった、本人が抱える将来への不安に寄り添うことです。
 
VisuaRise Designでは、このままキャッチコピー制作には入りません。
私たちは、「ユーザー中心設計(UCD)」という考え方を大切にしています。
ユーザー中心設計とは、作り手の都合ではなく、サービスを受け取る人の悩み・行動・感情・目的を起点に、言葉やデザインを設計する考え方です。
単に「目を引く言葉」を捻り出すのではなく、その言葉を受け取る人が、どんな毎日を送り、何に悩み、どんな未来を望んでいるのか。その「人」を深く理解することから始めます。
 
今回は、私たちが実際に行ったキャッチコピー制作の裏側をご紹介します。

この記事を読むとわかること

「自社のサービスを、どう伝えればいいか悩んでいる」、「お客様の『本当の悩み』に深く刺さるコンテンツを作りたい」という方へ。
この記事では以下のことがわかります!

「あきらめないをカタチにする」
成果を最大化する言葉の生み出し方をお伝えします!

CASE STUDY

接骨院:高齢者向けキャッチコピー制作

ご依頼主様からの要望
  • 高齢者の目を引く、チラシ用のキャッチコピーをお願いします
  • できる限りたくさんのキャッチコピーが欲しいです
  • 温かく、優しいイメージで。でも放っておくとどんどん症状は悪くなるよ。という思いを伝えたい

1. 「誰に」届けるかを徹底的に深掘りする

「高齢者の目を引くキャッチコピーをお願いします」というご依頼の奥にある「心理」「真の意図」をひも解きます

まず私たちが取り組んだのは、ターゲットとなる「ペルソナ(詳細な人物像)」の構築です。
ペルソナとは、年齢や性別だけでなく、生活環境・悩み・価値観・行動パターンまで具体化した、理想の顧客像のことです。
私たちは依頼主様と対話を重ね、ターゲット像をできる限り具体的な言葉にしました。

  • 属性: 70歳以上のご老人。子供は独立し、夫婦二人暮らし、もしくは独居。
  • 生活環境: 買い物も通院もすべて徒歩。生活圏内に整骨院が位置する。
  • 心の動き: 膝や腰の痛みそのもの以上に、「このまま歩けなくなって、介護される側になったらどうしよう」という、誰にも言えない「将来への不安」を抱えている。

ユーザー中心設計において、多角的な視点から理想の顧客像(ペルソナ)を具体化していくプロセスを象徴する図解

このほか、私たちは行動特性 および 思考特性の考慮、整骨院付近の地理状況調査、競合他社分析なども行い、ターゲットの解像度を極限まで高めた上で、具体的な制作フェーズへと進みました。

2. 論理的に「刺さるフレーズ」を紡ぐ

ペルソナが固まれば、次は言葉の紡ぎ出しです。

今回は、キャッチコピーを「A(心理的導入)+B(具体的症状)+C(希望の未来)」の3つのブロックで構成しました。

なぜ、あえて3つのブロックに分けたのか。
それは、チラシを手に取った方の「心の動き」に合わせた動線を作るためです。

  • 【A】"共感・導入"で目を引く:心理的導入

    まずは、「これは私のことだ」という強い共感、もしくは「こうなるのは嫌だな」という感情を激しく揺さぶるフレーズで始めます。
    ここで「もっと読みたい」という意欲を引き出します。
    例:「痛いのが当たり前の毎日。そんな生活、終わりにしませんか?」

  • 【B】"不安の言語化"で自分事化させる:具体的症状

    次に、本人が無意識に感じている不便や不安を言い当てます。自分の悩みを正しく理解してくれる存在だと認識してもらうためです。
    例:『痛たたたっ』が自然に口から出る

  • 【C】"安心・未来"で行動を促す:希望の未来

    最後に、施術後の明るい未来を提示します。来院へのハードルを下げ、安心感を持って一歩を踏み出せるよう導きます。
    例:痛みを我慢する時間はもう終わり。これからは『人生を楽しむ時間』に。

更に今回は、”キャッチコピーをたくさんほしい”とのご要望でしたので、それぞれのブロックに複数の文言を用意し、依頼主様に自由に組み合わせていただけるようにしました。

その組み合わせ総数は、実に、

0 通り!!

状況に合わせて最適なメッセージが必ず見つかる仕組みです。

3. 実例で見る納得感

すでにキャッチコピー自体は出来上がっているのですが、まだ依頼主様には提示しません!
ここからが VisuaRise Design のこだわりです!!

各ブロックの選択肢をただリストでお渡ししても、どの組み合わせが良いか、迷わせてしまうだけです。そこで、私たちは依頼主様が直感的にイメージを膨らませられるよう、「仮のチラシデザイン」を作成しました。
(※ご依頼は「キャッチコピー制作」のみであり、チラシ制作ではありません)

(ちょっとクサイ言い回しですが)キャッチコピーは、紙面に載って初めて命が吹き込まれます。
チラシには、「紙面サイズ」という制約があり、Webページのように情報量に合わせて縦方向にどんどん伸ばすことはできません。
そのため、私たちは実際のチラシに近い形でキャッチコピーを配置し、文字量・視認性・印象を確認しました。

実際にデザインへ落とし込んでみると、「この文字数だと視認性が落ちる」「このフレーズならもう少し短くした方が響く」といった課題が見えてきます。

依頼主様が作られる実際のデザインとは異なることを承知の上で、あえて枠組みに当てはめて文言を微調整し、より「届くメッセージ」へと磨き上げていきました。

制作したキャッチコピーを実際の紙面にはめ込んだ、整骨院チラシの仮デザイン。ターゲットの心理変容に合わせたA・B・Cブロックの構成が視覚化されている。
キャッチコピーの効果と視認性を検証するために、自社で仮制作したチラシ案

4. 街角のヒアリングが、最後の「確信」に

さて、ペルソナを固め、4,320通りのコピーを作り、チラシのデザインに落とし込んで微調整も済ませました。

「これでようやく、提出かっ!」と思いました? ……いいえ、まだ出しません!

どれだけ論理的に組み立てても、それはあくまで「制作者側の視点」に過ぎないからです。

最後に、私たちは、作成した言葉が本当にターゲットの心に届くのかを確認するために、街頭ヒアリングを行いました。
前日までゲリラ豪雨の降る日が続いていたのでお天気が心配でしたが、当日は見事な快晴!私たちは作成した文言を持って街へ出向き、実際にターゲット層に近いご高齢の方々にヒアリングを行いました。

「この言葉を見て、どう感じますか?」

「どの表現なら、『行ってみよう』と思えますか?」

中には耳の遠い方もいらっしゃって、大きな声でお伝えしたり、なかなか意図をご理解いただけなくて説明に想定以上に時間がかかったりと、一筋縄ではいかない場面もありましたが、それもまた貴重な体験で、時には笑い話を交え、時には「頑張ってね」と温かいお言葉と“あめちゃん”をいただいたりしながら、最終的に38名もの方々から生の声をいただくことができました。

机の上で考え抜いた言葉が、現場でどう響くのか。
「この表現は少しきつく感じる」「この言葉なら、自分のことだと思える」といった生のフィードバックを収集しました。

この「現場の声」も取りまとめて提示することで、依頼主様も自信を持って「これだ!」という一言を選び取ることができるのです。

5.自信を持って、正式納品!!

正式納品しました!!

ご依頼は「キャッチコピーの作成」ですが、チラシを作成されると伺っていましたので、キャッチコピーに加え、出血大サービスでチラシ作成の極意を入れて、成果物を作成しました。

【成果物の主な内容】

  • ターゲット層のペルソナ設定
  • A+B+Cの3ブロックで構成された4,320通りに組み合わせ可能なキャッチコピー
  • キャッチコピーの組み合わせ例
  • チラシ作成の極意(視認性・構成案)
  • 38名の高齢者へのヒアリング結果のまとめ

上記に、VisuaRise Designのホームページ制作のポートフォリオを追加して、ちゃっかりアピールさせていただきつつ(笑)、全23ページの成果物を提出しました。

【実績スケジュール】

  • 1日目: ご依頼受領

  • 2日目: お見積り・ご契約、ペルソナ設計・周辺地理状況調査・他社分析の実施

  • 3日目: コピー作成開始(7割程度完成)

  • 4日目: 全コピー完成

  • 5日目: 街頭ヒアリング & 資料とりまとめ

  • 6日目: 成果物提出

合計で6日間のお仕事でした。

街頭ヒアリングの日、、、雨でなくて本当に良かった、、、

ご依頼主様からのコメント

丁寧な途中経過の報告、根拠のある生のターゲットの声を参考に作りこんでいただきました。
目から鱗の内容もあり、ビジネスに活かせる広告が作れそうです。

またご相談に乗っていただきたいと思います!!(T.K.さま)

VisuaRise Designにキャッチコピー制作を依頼し、満足のコメントを寄せた鍼灸整骨院オーナー様の顔写真

後日談

この後、続けて「YES/NOチャート」の制作依頼もいただきました!

YES/NOチャートを制作するにあたっては、「依頼主様の整骨院への誘導率を50~60%になるようにすること(ここはノウハウがあります)」と、「YES/NOが矛盾なく流れること」の両立に苦労しましたが、何とかドラフトを仕上げ、再びご高齢者の皆さんへアタック開始しました。

しかし、、、今回はあいにくの悪天候が続き、かなり苦戦しましたが、最終的にはアーケードのある商店街に足を運び、何とか無事にヒアリングができました!

微調整の上、最終的に納品することができて、ホッとしました・・・

YES/NOチャートを実際の紙面にはめ込んだ、整骨院チラシの仮デザイン。ターゲットが整骨院への関心を持つよう、設計された構成となっている

ご依頼主様からのコメント

ありがとうございます!!
とてもいいチャートに仕上がっていると思います!!

安心で丁寧で迅速に対応していただきました!!(T.K.さま)

VisuaRise Designにキャッチコピー制作を依頼し、満足のコメントを寄せた鍼灸整骨院オーナー様の顔写真

ユーザー中心設計(UCD:User-Centered Design)は、「あきらめない」を最大化する技術!

ホームページ制作も、チラシのキャッチコピー制作も、目的は同じです。

重要なのは、「誰に、何を伝え、どう動いてほしいのか」を明確にすることです。

この本質を外さないからこそ、お客様の心に届くアウトプットが生まれます。
 
今回の依頼主様からも、大変満足いただき、やりがいのある案件となりました。
VisuaRise Designは、これからも「あきらめないをカタチにする」ために、徹底したユーザー視点で皆さまの挑戦をサポートしてまいります!

ユーザー中心設計(UCD)のサイクル図。リサーチから実装まで6つの工程と、ユーザーのフィードバックを中心とした制作プロセスの概念図

FAQ

Q1. 高齢者向けのチラシで反応を得るキャッチコピーを作るには、何が大切ですか?

高齢者向けのチラシでは、目立つ言葉よりも「自分のことだ」と感じてもらえる言葉を作ることが大切です。
痛みや症状だけでなく、「このまま歩けなくなったらどうしよう」「介護される側になりたくない」といった将来への不安に寄り添うことで、読み手の心に届きやすくなります。

ユーザー中心設計とは、作り手の都合ではなく、サービスを受け取る人の悩み・行動・感情・目的を起点に、言葉やデザインを設計する考え方です。
VisuaRise Designでは、キャッチコピー制作でもこの考え方を重視し、ターゲットの生活や不安を深く理解することから始めています。

ペルソナ設計が必要な理由は、誰に向けた言葉なのかを明確にするためです。
年齢や性別だけでなく、生活環境、悩み、価値観、行動パターンまで具体化することで、表面的ではない「本当に届く言葉」を作りやすくなります。

A+B+C構成とは、読者の心の動きに合わせてキャッチコピーを設計する方法です。
今回の事例では、以下の3つのブロックで構成しています。

  • A:心理的導入
  • B:具体的症状
  • C:希望の未来

最初に共感を生み、次に悩みを自分事化し、最後に前向きな行動へつなげる流れを作りました。

仮のチラシデザインを作る理由は、キャッチコピーが実際の紙面でどう見えるかを確認するためです。
チラシには紙面サイズの制約があるため、文字数が多すぎると視認性が下がります。
仮デザインに配置することで、読みやすさ、印象、文字量を確認できます。

街頭ヒアリングが必要な理由は、作り手の想定と実際の受け取り方にズレがないかを確認するためです。
制作者が「良い」と思った言葉でも、ターゲットにはきつく感じられたり、逆に響かなかったりすることがあります。
実際の声を聞くことで、より確信を持って言葉を選べます。

高齢者向けの広告では、不安を強くあおる表現や、上から目線に感じられる表現は避けた方がよいです。
「放っておくと悪化する」という注意喚起は必要ですが、恐怖だけで行動させるのではなく、安心感や前向きな未来も一緒に伝えることが大切です。

ユーザー中心設計は、ホームページ制作にも活用できます。
ホームページ制作でもチラシ制作でも、重要なのは「誰に、何を伝え、どう動いてほしいのか」を明確にすることです。
ユーザーの悩みや目的を起点に設計することで、より成果につながるコンテンツを作りやすくなります。

「自社の強みを、どう言葉にすればいいか分からない」と悩んでいませんか?

私たちは、単にきれいな言葉を並べるのではなく、ターゲットの深層心理まで潜り込み、現場の声を聴き、納得いくまで言葉を研磨します。

あなたのサービスに眠っている「本当の価値」を、一緒にカタチにしてみませんか?

まずは現状のお悩みをお気軽にご相談ください。

次に読むべきおすすめ記事

\ 続いてこちらをチェック! /

今回の記事では、チラシ用キャッチコピーを題材に、「本当に届く言葉」はターゲット理解から生まれることをご紹介しました。

では、ホームページのキャッチコピーをAIで作る場合はどうすればよいのでしょうか。
AIは便利ですが、丸投げすると「創業○年の実績」「高品質なサービス」のような、どこかで見た言葉になりがちです。

次の記事では、AIを活かしながら人間が言葉を磨く、ホームページ向けキャッチコピー制作術を実例付きで解説しています。

ぜひご覧ください。

ホームページ制作にも、ユーザー中心設計が必要です

今回のキャッチコピー制作で大切にしたのは、読み手の悩みや不安を深く理解し、行動につながる言葉を設計することです。
この考え方は、ホームページ制作でも同じです。

ホームページで成果を出すには、見た目の美しさだけでなく、「誰に、何を伝え、どう行動してほしいのか」を明確にする必要があります。
VisuaRise Designでは、ユーザー中心設計をもとに、伝わる構成・響く言葉・使いやすい導線を設計しています。

Author

Tomohiro Tatehisa

VisuaRise Design Representative
Web Consultant / Designer

米国政府系企業での勤務を経て帰国後は、グローバル企業でPMOリーダーとして活躍。数千万円規模の小規模案件から100億円超の大規模プロジェクトまで、多様なプロジェクトを成功に導いてきました。 システムコンサルタントとしては、製造業のサプライチェーン領域を中心にBPR(業務改革)を推進し、現場課題の解決と企業価値向上に貢献してきた経験があります。

日本の大手企業での多数のプロジェクトに加え、アメリカ・中国・シンガポール・インド・ブラジルでのビジネス経験を土台に、現在はWebデザイナーとして“伝わるデザイン”を追求。デザイン制作にとどまらず、実務で培った思考法やプロジェクト推進の知見を積極的に発信しています。

このブログでは、プロジェクト現場で得たリアルな学び、実践的なノウハウ、そして国際ビジネスの視点を、初心者から専門家まで届く形でわかりやすく紹介します。「本質を見抜き、わかりやすく伝える」ことを大切にしながら、あなたの創作や仕事に役立つヒントをお届けします。

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