【AEO実践レポート #09】いよいよサイト全体へ|「全部やる」より大事な"取捨選択"という考え方

著者・監修 VisuaRise Design_Tomo

公開日:2026.08.10
更新日:2026.08.10
5~ 6 min read

皆様からいただくコメントは、今後の運営の参考および励みとなります。 まずは本記事の内容について、ぜひご感想をお聞かせください。 参考になった点や気づきなど、ひとことでも構いませんので、お気軽にコメント欄へご投稿ください。

この記事を読むとわかること

この記事は誰に向けたものか

はじめに

これまでは「Web制作のいろはBlog」に集中してAEO対策を進めてきましたが、ひと段落つきましたので、Next Stepとして、サイト全体のAEO対策に取り組んでいます。
 
今回は「全ページ共通で対応すべきAEO対策」に着手したのですが、結果的に新たに実施したのは構造化データ(JSON-LD)に関する2点のみでした。それ以外の項目には、あえて手を加えていません。
私が大切にしたのは、「AEO対策に良いと言われているから、とりあえずやる」ではなく、サイト全体の状況を見て『本当に必要か』を一つひとつ判断するという姿勢です。
その結果見えてきたのは、「サイトの土台は、実はすでにかなり整っていた」という事実です。
 
さらに検証面でも、うれしい変化がありました。第5週にして初めてChatGPT・Gemini両方での回答表示を達成し、前回の課題だったカニバリゼーションにも改善の兆しが見えたのです。
 
「何を実施し、何を”あえて見送った”のか」、そしてその判断基準を、順を追って解説していきます。

サイトに施すべきAEO対策とは

基本的な考え方は、ブログもサイトも同じで、「人が見て読みやすく・理解しやすいサイトは、AIにとっても分かりやすい」と考えています。
 
そこでまずは、徹底的にE-E-A-Tを伝えます。
E-E-A-Tとは、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trust(信頼性)の頭文字で、Googleがコンテンツの品質を評価する際に重視する基準です。
そのうえで、機械語を好むAIのために、AIが読み取りやすい構造化データを仕込む、というスタイルで進めていきます。

1. 全ページ共通で対応すべきAEO対策

  • 「Organization(組織)」または「Person(個人)」の構造化データをセット

    構造化データとは、Webページの内容を、検索エンジンやAIが正確に理解できる「決まった形式」で記述したものです。
    「Organization(組織)」または「Person(個人)」の構造化データは、「このサイトの運営会社(組織)と代表者(個人)」を正確に伝えるための専用のデジタル名刺のようなものです。設置することでサイトの信頼性が高まり、Googleの検索結果やAIの回答で正しく評価・表示されやすくなります。

  • フッターにプレーンテキストで情報を集約

    プレーンテキストとは、装飾や画像を使わない、純粋な「文字データ」のことです。
    画像内の文字はAIが読み取りにくい一方、プレーンテキストはAI・検索エンジンが確実に読み取れます。
    そのため、全ページ共通のフッターに、画像ではなく「テキスト」で、屋号・代表者名・主要サービスを明記します。

  • ブログ(投稿)から固定ページへの導線

    ブログ記事(ノウハウ)から固定ページ(企業情報・お問い合わせ等)へ、文脈に沿った内部リンクを網羅します。
    AIに「知識と実体が一致した信頼できるサイト」だと理解させます。

  • 公開日・更新日の明示

    固定ページにも最終更新日をテキストや構造化データ(dateModified)で示し、「アクティブに運営されている」裏付けとします。

  • llms.txt の設置

    llms.txt とはサイトの最上層(ルートディレクトリ)に置くテキストファイルで、いわば 「AIクローラー専用の案内地図(要約付きサイトマップ)」 です。
    近年注目される、AI向けにサイト概要を伝える施策です。

2. 個別ページで対応すべきAEO対策

AI検索は、ユーザーの具体的な質問(例:「Web制作の流れや納期は?」)に対し、最適な固定ページから情報を抜き出して回答します。そのため、各ページの役割をAI向けに研ぎ澄まします。

  • トップページ(企業情報)

    ・ファーストビューに「定義文」を配置します。AIがそのまま要約として抜き出せる、明確なVisuaRise Designを表す1文を置きます。
    ・各下層ページへのリンクは、ボタンや画像だけでなく「どんな内容か」を2〜3行のテキストで説明したうえで設置します。

  • 「制作の流れ」ページ

    ・ステップごとに明確な見出しで区切り、「用意するもの」「かかる期間」を明記します。
    ・最下部に「制作の流れ」ページに関するFAQを掲載し、FAQPageの構造化データをセットします。

  • 「制作実績」ページ

    ・各制作実績に「これは専門的な制作事例です」とAIに伝える構造化データを設定します。具体的には、サイト名・概要・制作者・掲載元などの情報を、AIが読み取れる形式(CreativeWorkやArticle系のスキーマ)で紐づけます。
    ・最下部に「制作実績」ページに関するFAQを掲載し、FAQPageの構造化データをセットします。

  • 「お問い合わせ」ページ

    ・「営業時間は?」「どうやって連絡すればいい?」といった質問にAIが正確に答えられるよう、対応時間や連絡手段の情報を構造化データ(Organizationスキーマ内のcontactPoint)に含めます。
    ・画像で掲載中のお客様の声を、AIが確実に読み取れるテキストに置き換えます。

一度に全部対応するのは大変なため、下記の順で進めています。

Step1「全ページ共通で対応すべきAEO対策」
Step2「個別ページで対応すべきAEO対策」

現在までのサイト全体のAEO対策の進捗

お客様対応などもあり、サイト全体の対応は鋭意対応中で、Step1が終了したところです。AEO対策は期限に縛られるものではないため、着実に、マイペースで進めていきます!

Step1

完了

全ページ共通で対応すべきAEO対策

100%

Step2

未着手

個別ページで対応すべきAEO対策

0%

今回やったこと

今回は、Step1「全ページ共通で対応すべきAEO対策」を実施しました。項目ごとに、対応した内容と、あえて見送った判断を整理してお伝えします。

Step1 : 全ページ共通 AEO施策 判断サマリー

項目
判断
判断の理由
OrganizationとPersonの
構造化データ設置
実施
VisuaRise Designの組織・代表者の構造化データを新設
フッターへの情報集約
見送り
「1」で構造化データを設定済みのため、フッターへの追加集約は不要と判断
ブログから固定ページへの導線
実施済み
日常的な運用で文脈に応じた内部リンクを設定済み
公開日・更新日の明示
実施
構造化データを設置。サイトリニューアルによる©2024表示との年数ずれもAIの理解に支障がないことを確認。
llms.txtの設置
見送り
構造化データの設置完了により優先度は低い。ChatGPT等の明確な公式推奨タイミングを待つ戦略的保留。

1. OrganizationとPersonの構造化データを設置

「VisuaRise Design」はフリーランスで運営するWebデザイン事務所なため、Organization(VisuaRise Design)を主体とし、その中に創業者・運営者としてPersonを紐づけたJSON-LDを埋め込みました。
 
JSON-LDとは、検索エンジンやAIに対して「このページには何が書かれているか」を機械が理解できる形で伝えるための記述方法です。Googleが推奨する構造化データの形式で、HTMLに埋め込んで使用します。
人が読むホームページ上では、すでに以下の3か所でVisuaRise Designと私自身について十分に説明しています。そのため、表示上の追加対応は不要と判断しました。
  • トップページの「代表挨拶」
  • 各ブログの「Author(著者情報)」
  • 「特定商取引法に基づく表記」

2. フッターへの情報集約

【対応見送りの判断】
すでに「1. OrganizationとPersonの構造化データを設置」の対応で、構造化データを設定済みです。且つ、フッターも画像を使わずテキストで、社名とモットーを表示済みです。
 
フッターへ、屋号・代表者名・主要サービスを明記することは技術的には可能ですが、十分にAIエンジンに伝わる対策が取られていると判断し、現時点では追加対応を見送りすることにしました。
 
ただし今後、サービス数や対応エリアが増えて情報が複雑化した場合は、ユーザーの視認性を優先し、フッターへのテキスト集約を再検討します。

3. ブログから固定ページへの導線

普段から意識的に、ブログから固定ページへのリンクを貼っているため、新たに実施する必要はありません。
各記事末尾や本文の文脈に合わせて自然に固定ページへのリンクが網羅されています。

4. 公開日・更新日の明示

JSON-LDで公開日・更新日を設置しました。
ここで1つ迷った点がありました。
当サイトは2024年から運用しており、2026年にリニューアルしました。コピーライトは「©2024」です。JSON-LDの公開日は2026年になりますので、©表示の公開年とずれてしまうことを懸念しました。
しかし調べたところ、GoogleやAIは「著作権が発生した年」と「サイト公開の年」の違いを正確に理解できるため、問題ないと分かりましたので、安心してJSON-LDで公開日・更新日を設置しました。

5. llms.txt の設置

【対応見送りの判断】

llms.txt は、AIクローラーへの「おすすめ案内」であり、絶対的な命令ではありません。AEO対策の本丸であるJSON-LD(構造化データ)が完了済みの今、優先度は高くないと判断し、対応を見送ります。

今回は対応を見送ったのは、”今はまだ早い”と判断したからです。
よって、次のような状況になれば、迷わず設置に踏み切ります。
  • Perplexity・ChatGPT・Gemini など主要AI検索が、llms.txt を明確な評価基準として採用し始めたとき
  • 公式ドキュメントで「llms.txt を推奨」と明言されたとき
動向は継続的に注視していきます。

第5週・第6週の検証結果

第1週からの継続観測データです。

確認対象
検証内容
第1週
第2週
第3週
第4週
第5週
第6週
1-1. AI検索・
ChatGPT
「2026年最新の"AEO実践レポート"はありますか?」
×
×
「AEO実践レポートとして、AEO対策に本気で挑んでいる
Blog記事はありますか?」
×
1-2. AI検索・
Google Gemini
「2026年最新の"AEO実践レポート"はありますか?」
×
×
「AEO実践レポートとして、AEO対策に本気で挑んでいる
Blog記事はありますか?」
×
×
2. Google Search Console
正常にインデックスされているか
該当記事の表示回数
11
37
※前週比+26
32
※前週比-5
17
※前週比-15
22
※前週比+5
26
※前週比+4
AEO関連クエリの表示変化
×
3. GA4
各AIサービス経由のアクセス有無
×
該当記事の表示回数グラフ
  • 第5週にして、初めてChatGPT・Google Geminiの両方で回答表示されました。
    週単位の観測のため、日単位で見ればまだ安定表示とは言えませんが、全項目に〇がついたのは大きな前進です。
  • 特筆事項として、検索クエリにロングクエリ(文章型の検索)が増えてきました。
    「AEOがSEOに悪影響を及ぼさないか?」「優先順位はどう考えるべきか?」といった、具体的で深い問いが増えています。

カニバリゼーション対策、その後

前回(AEO実践レポート#08)で報告したカニバリゼーションについて、改善傾向が見られました。
カニバリゼーションとは、同サイト内で記事同士が競合する現象のことです。
 
7/17にカニバリゼーション対策をしました。
日単位で見ると対策後は改善傾向を示しています。対策前後の5日間の合計を比較した結果は以下の通りです。
対策前(7/12~16)
1日平均: 2.6回
0 回表示 / 5日間
対策後(7/17~21)
1日平均: 3.8回
0 回表示 / 5日間
1日平均で表示回数が約1.5倍に増加しました。
まだ予断は許しませんが、ひとまず対策は効いていると見ています!

さいごに

今回サイト全体のAEO対策に着手して、あらためて実感したことがあります。
それは、「良いと言われる施策を全部やること」が正解ではないということです。
大切なのは、サイトの現状を見て「本当に必要か」を一つずつ判断すること。
その結果、新たに実施したのはたった2点でしたが、それはVisuaRise Designのサイトはすでに土台が整っていた証拠でもあると思っています。
 
「人にもAIにも分かりやすいサイト」を目指し、これからも”やること”と”あえてやらないこと”を見極めながら、着実に進めていきます。
 
次回も、進捗と検証結果をお届けします。

FAQ

Q1. サイト全体のAEO対策では、何から始めればいいですか?
まず「全ページ共通で対応すべき施策」から着手し、その後「各ページ個別の施策」へ進むのがおすすめです。特に最優先は、運営会社・代表者を伝えるOrganization/Personの構造化データ(JSON-LD)の設置です。これがAIに信頼されるサイトの土台になります。
いいえ、すべてを実施する必要はありません。大切なのは「本当に必要か」をサイトの現状に照らして一つずつ判断することです。すでに人が読んで分かりやすい状態が整っていれば、追加対応が不要なケースも多くあります。

必須ではありません。llms.txt はAIへの「おすすめ案内」であり、現時点では絶対的な命令ではないためです。AEO対策の本丸であるJSON-LD(構造化データ)が完了していれば、llms.txt は今後の状況を見て判断しても問題ありません。

悪影響はありません。「人が見て読みやすく理解しやすいサイトは、AIにも分かりやすい」という考え方が基本であり、E-E-A-Tを伝えるAEO対策はSEOの評価軸とも重なります。両者は対立せず、むしろ相乗効果が期待できます。

問題ありません。GoogleやAIは「著作権が発生した年」と「サイト公開の年」の違いを正確に理解できます。そのため、JSON-LDの公開日とコピーライト表示の年が異なっていても、評価に悪影響はありません。

AEO対策も、ホームページ制作の一部です

私がAEO対策に取り組む理由は、「作って終わり」ではなく、公開後もAIや検索エンジンに正しく見つけてもらえるホームページをお届けしたいからです。
構造化データもE-E-A-Tも、突き詰めれば「人にもAIにも伝わる、信頼されるサイト作り」に行き着きます。
 
VisuaRise Designでは、こうしたAEO・SEOの視点を取り入れたホームページ制作を承っています。
ぜひお気軽にご相談ください。

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AEO対策は、ホームページ制作の「もう一歩先」

AEO対策を進めるほど実感するのは、「良いホームページの条件は、人にもAIにも共通している」ということです。
 
読みやすさ、情報の整理、運営者の信頼性——これらはすべて、制作の根っこにある考え方そのものです。
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Author

Tomohiro Tatehisa

VisuaRise Design Representative
Web Consultant / Designer

米国政府系企業での勤務を経て帰国後は、グローバル企業でPMOリーダーとして活躍。数千万円規模の小規模案件から100億円超の大規模プロジェクトまで、多様なプロジェクトを成功に導いてきました。 システムコンサルタントとしては、製造業のサプライチェーン領域を中心にBPR(業務改革)を推進し、現場課題の解決と企業価値向上に貢献してきた経験があります。

日本の大手企業での多数のプロジェクトに加え、アメリカ・中国・シンガポール・インド・ブラジルでのビジネス経験を土台に、現在はWebデザイナーとして“伝わるデザイン”を追求。デザイン制作にとどまらず、実務で培った思考法やプロジェクト推進の知見を積極的に発信しています。

このブログでは、プロジェクト現場で得たリアルな学び、実践的なノウハウ、そして国際ビジネスの視点を、初心者から専門家まで届く形でわかりやすく紹介します。「本質を見抜き、わかりやすく伝える」ことを大切にしながら、あなたの創作や仕事に役立つヒントをお届けします。

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